カーテンコール2010

カーテンコール

夢破れて、夏 3年目のリグレット

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学ドリでは、だれもが
ヒーローになれるチャンスがある!
ありがとう学ドリのみんな!
そして、つぎに学ドリをめざすひと、
あとはまかせたぜ!

日本大学 駒崎亮介
2008年東大会ベスト25
2009年東大会8位
2010年東大会4位 東西統一戦8位

学ドリとの出会いと初参加の後悔

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 オレにとって学ドリは夢の舞台でした。第1回がたしかオレが中学生のころだったと思いますが、毎年規模もレベルもあがっていくのをドリ天の誌面で見ていました。そのころからオレは学ドリに対して「これならオレもヒーローになれる!」というチャンスをかんじていました。
 学ドリに挑戦したいがために大学に進み、いっぱい練習して挑んだ2008年はベスト25で敗退。この年は「はじめて出てきたヤツがいきなり目立ったら絶対カッコいいだろ!」と、結果を残すことばかりに夢中になってました。おかげで?お祭り?としての学ドリは半分も楽しめず…。後悔しました。
 翌2009年、さらに練習してウデを磨き、珍モディファイやコスプレも用意! 大学の単位も危うく、就活も控えていたので、この年を最後にドリフトを休業しようと思って全力投球でした。しかし、ご存知のとおりベスト8でクラッシュして敗退。悔しさのあまりマイクで2010年も出場することを高らかに叫んでしまいました。

今年はオレ、ミスター学ドリを
名乗っちゃっていいっすか?

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 あれから1年…というかこの1年間、あまりにいろいろなことが起こりすぎました。ようやく現愛車コマクレ二男(JZX100)を手に入れたのが今年6月。10ヶ月のブランクは致命的だし、去年とおなじところにさえ行けないんじゃないか、それに去年ある程度の見せ場は作ったし、もうそこまでガツガツしなくても楽しく走れればそれでいいやと思っていたのが本音です。自分以上に勝ちを望まれてる人間がたくさんいることも知ってましたからね。だからまわりにも、オレは今年は勝ちにこだわらないと公言していました。
 しかし、ただひとりだけ、そんなオレの気持ち、というより?表向きに公言した言葉のウラ?に隠れていた、自分でも気付かなかった勝利への執念に火をつけた人物がひとりいました。去年の東大会&東西統一戦3位、オレが心から尊敬している学ドリ野郎、河村さんです。「勝ちを意識してないなんて嘘でしょ? オレは今年は駒崎くんに勝ってほしいと思ってるよ!」とメールをくれたんですよ。そのたったひとことだけで、オレのなかの執念はあっさりと目を覚まし、また同時に自分も勝ちを望まれている人間なのだという自覚が湧きました。このメールがなければ、オレはきっと自分のなかに本音をしまいこんだまま最後の学ドリに臨み、不完全燃焼で悔いを残していたと思います。河村さんには心から感謝です。
 終わってみれば東大会4位、統一戦ベスト8というのがオレの最終的な記録ですが、それ以上に大きなものを、この3年間の学ドリで手に入れられた気がします。
 チームのメンバーは、走る人間はそれぞれがベストを尽くせるよう刺激し合い、走らない人間は献身的にサポートにまわる。リーダーのムナカタなんか、当日手紙まで書いてくれたほどです。
 そしてなによりも、たくさんの出会い。いまおなじチームで走っている、おっくん(奥村脩樹)や、つばき(椿佑樹)は、そもそも学ドリで知り合った仲間だし、去年戦った群自の強矢さんや、今年のエースとやまくん(吉田雄一)、埼工大のみんな、けんじさん率いるエレテクのみなさん、てつおさん率いるグリアンドールのみんな、関東人がキライな山形大学自動車部の面々、ライバルとしてちゃんと認めてくれた九州の辻さん、オレに火をつけちゃったマイコン河村さんなどなど、数えきれないほど、たくさんのひとに「がんばれよ!」「カッコいいぞ!」「ぜったい勝てよ!」とあたたかく声をかけていただきました。ドリフトをやっていなかったら、いや、学ドリに参加していなかったら、こんなに注目を浴びることはオレの人生においてあり得なかったでしょう。
 結果は伴わなかったけれど、オレは今年の学ドリで、最も?勝利を望まれた男?になれたのかな…? オレが今年のミスター学ドリ!? なーんて調子に乗りすぎですかね? 期待に応えられなくて、どうもスミマセンでした!
 閉会式でも話しましたが、留年が決まっていて来年も参加資格があるとはいえ、オレはもう出ません。たくさんのひとが「来年も!」と言ってくれましたが、心に決めてたことなので。大学生は22才で終わるのがフツーですから。それより今後はなんらかのかたちで学ドリに関わらせてください。旗振りでも受け付けでもなんでもやります。オレはだれよりも今後の学ドリの発展を期待してますから!

学ドリが好きだから、あえて
不満も言わせてください!

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 そんな気持ちでいるからこそ、何点かはダメ出しさせてください。
 まず、審査について。自分はコース変更、審査基準の抽象的な発表、おおいにけっこうです。そんなんで走りがヘボくなったり、審査員の要求が明確な言葉がないからわからない、なんてことになったら「ドリフトがうまい」とは言えないと思ってますから。
 ただ、なぜそのような対応をとったのか、ナニを求めてそうしたのか、という根拠が参加者にうまく伝わっていなかったと思います。元気のよさを見たいのはわかります。しかし、そのひとことで片付けられては、1年間死ぬ気で走ってきた想いがあまりにも軽く見られているような気がしてなりません。走る側は全員本気ですから、その本気に応えるだけの説明をして、参加者を納得させられるようにしてあげてください。勝っても負けても、全員笑って帰れるイベント、それが学ドリの魅力なんですから。
 もう一点、これは参加者に対して。みんなヌルイ! 学ドリは?祭?です! みんなあまりにも受け身すぎる! 自分からなんでも行動を起こせば、なんでも認めてくれるのが学ドリなんだ! オレは今年はコスプレ(中森明菜)とバンド(あまりにもグダグダでゴメンナサイ)しかできなかったけど、本当はみんなでゲームやりたくて40インチのテレビも持ってってたし、そのあとでひたすらドリフト談議しながら泣きまくろうと思ってたくらいなんだから! もっといろんなことしようぜ! 仲間うちだけで飲んで騒ぐだけじゃもったいないよ! だからオレはバンドをやったんです。バラバラな会場に、少しでも一体感を持たせたくて。来年以降、このいろんな意味での「伝統」が続くことを、オレは期待してます。
 走りについてもそう。フツーの大会じゃないんだから、型にハマった審査のハズがない。当日コースが変わったからって、それに対して不平を言っちゃダメ! オレ自身も戸惑ったし、うまく対応はできなかったけれど、それは学ドリのイレギュラーを予測できなかった自分の責任。学ドリ野郎としてまだまだ未熟だったってだけ。本物の学ドリ野郎なら「完全イーブンの状況ならよけい燃えてきたぁ!」ってなるべきなんじゃないかな? とにかく学ドリは、ひとりひとりが主人公で、だれもがヒーローになれるチャンスがあるんだから、そういうつもりで今後、臨んでいってほしいと思います。10年後、20年後の学ドリがより盛りあがるために、みんなで全力で学ドリを作っていきましょう!
 最後になりましたが、ここまで育ててくれた父ちゃん、母ちゃん、迷惑ばっかりかけて、アタマのあがらないマンキさんはじめ、たくさんの優しい先輩がた、最後にはいつも心の支えになってくれるトップティーンのみんな、バカにしながらもいつもついてきてくれる、後輩軍団ノーボディのみんな、心配かけっぱなしの彼女…そしてなにより、こんななんの取り柄もない自分がヒーローになれる舞台を与えてくれて、スポットライトを当ててくれたドリフト天国編集部のみなさん、ほんっとぉぉぉぉ〜〜〜〜にありがとうございました!
 最後にひとこと!「オレ、カッコイイ〜!!」

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