2年連続制覇のむずかしさ

2年連続制覇のむずかしさ

元チャンプ、ベスト8にも残れず…

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学生で24才以下ならだれもがエントリーできる学ドリ。テッペンを狙って5回も挑戦しているヤツもいた。そうかと思えば、いちどはそのテッペンに立ったのに、またこの場所に戻ってくるヤツもいる。東大会にエントリーした2007年優勝の村田くん、2008年優勝の福島くんのふたりが今年もエントリーしてきた。しかし、共に2回戦で敗退す…。

2009_muzukashisa_02.jpgAE86からC35に乗り換えたディフェンディングチャンピオン
王座は譲ったけど、最後の学ドリを謳歌した!
2回戦敗退
福島哲雄 青山学院大学
2008年東日本大会優勝

 今年の福島くんは去年とはだいぶちがう雰囲気だった。ハチロクからローレルに乗り換えたってだけでなく、いい意味で?くだけた?っていうのかな? 仲間も増え、学ドリを心底楽しんでいるように見えた。開会式の選手宣誓も堂々としたものだった。
「学ドリでいただいたパワーは自分にとってかけがえのないものです。以前はサーキット中心でしたが、最近は熱いと言われる峠や埠頭に顔を出し、新しい刺激を受けるとともに、自分の力不足をかんじ、ワクワク感がとまりません」とは応募用紙に書かれた意気込みのいちぶ。軽いハチロクから重いローレルに乗り換えたのは、自分への挑戦と言い切る。
 想定外の予選落ちを喫したものの、敗者復活で生き残り、2回戦まで進出。しかし「去年のようなキレがない」と審査員。ここでディファンディングチャンピオンの最後の学ドリは幕を閉じたのだった。
 ずっとプレッシャーがあったと思う。でも、敗者復活戦を待つピットロードに「失格 元チャンプ」とボディにガムテープで貼って登場。カメラを向けると笑顔でガムテープの文字を指さしてガッツポーズ。なんとなくこのとき「コイツ、すっかり走り屋っぽくなったなー」と思ったんだよな。

2009_muzukashisa_03.jpg学ドリ以外のドリコン出場なし!
『峠育ちの挑戦』を最後まで貫いた!
2回戦敗退
村田賢治 湘南工科大学
2007年東大会優勝

 2007年に優勝したときには「マグレですよ!」と自分が勝ち取ったタイトルの大きさにいまいち実感がなかったみたいだけど、去年もエントリーし、乗り換えたばかりの学生C34に苦戦したのかベスト16どまり。今年はタービンも交換して、またも学ドリの舞台に立った。
 彼は生粋のストリートドリフターで、学ドリ以外ではほとんどサーキットに行かず、毎週のように峠に出撃。いまの悩みは「最近オマワリが本気モードで困る」ってなくらいだから、まったく天然の走り屋だ。予選日の夜に「ちょっとちかくの峠に出撃してきます」って言い残して出て行った、なんてあんまり大きな声じゃ言えないな〜。
 つねに仲間と騒ぎまくっていて、あんまり勝ちにこだわっていない雰囲気を漂わせていたけど、フとした瞬間に一昨年の成績がマグレじゃないってことを証明したいような印象も受けた。
 若冠20才で優勝した男にとって学ドリに出場する目的は「ストリート育ちがサーキット育ちに負けないってことを証明する!」なのだから。

2009_muzukashisa_04.jpgもっとがんばれ女学生!
出場3名、予選通過1名
このままじゃ全日本女子学生選手権ができないぞ〜!
唯一の予選通過女子
三木亜希子 名古屋工業大学

 男女の区別はない学ドリだけど、女のコのエントリーは非常に少ない。今年で言えば、書類選考の時点で5名だった。そのうち東に1名、西に2名がエントリー。予選通過したのは名古屋工業大学の三木希紀子ちゃんただひとり。
 じつは彼女、去年の西大会で4位に入賞した吉野くんと付き合ってて、去年もいっしょに出場していたんだ。彼氏は予選100点のパイロン王子、彼女は予選落ち。それから週3回の特訓がはじまり、今年は見事予選に通過した。しかも2回戦進出!
「ドリフトに夢中で単位を半分も落としちゃいました。今年がダメでも来年に賭けます」と応募用紙に書いていたから、きっと来年はもっと成長した姿を見せてくれるだろう。
 なにしろ2007年の西日本大会で優勝したのは女のコなんだから、野郎どももうかうかしてられないぜ。