第5代 東西統一戦王者
山形大学大学院 米内寿斗
東4位から下克上達成!!
学ドリに捧げた4年間の有終の美を最高の結果で飾った!
第5代 東西統一戦王者
山形大学大学院
米内寿斗
山形県米沢市在住 23才
180SX(RPS13)
過去3回の学ドリ参戦で、2回戦敗退→12位→6位と着実に結果を出してきた男が、ついに頂点に立った。東大会では肝心な場面で痛恨のスピンにより4位に落涙したものの、直後の東西対決戦ではメンタル復活! 最後のワンチャンスをモノにした底力は、自身最後の学ドリにすべてを捧げてきたこの1年間の成長の証と言えるだろう。
リベンジに燃える最後の学ドリは
昨年の大会翌日からはじまった!
専門学校や短大とはちがい、4年制大学なら学ドリに複数回参戦するチャンスは多く、過去には5回の出場数を誇る鉄人もいた。米内くんは山形大学在籍中に2度、そして大学院に進んで今年で2度目、計4回目の参戦となる?学ドリベテラン?のひとりだ。
しかも、毎年予選突破、過去3回とも着実にポジションアップしてきた。去年は6位だから、だれもが優勝候補の最右翼としてチェックしていただろう。
米内くんの学ドリラストイヤーとなる今年の気合いはハンパじゃなかった。「この1年間は、学ドリのためだけに準備してきたような1年でした」と言う。学ドリに勝つとあらためてその目標を掲げた日から、遊びのために山に通うことはなくなった。本番に近いシチュエーションを求めて、可能なかぎり山形から日光の走行会に参加した。自動車部の仲間たちは、ドリフトに関しては正直そこまで熱くない。だから遠征は常にひとりだったし、これまでドリフトの師匠と呼べる存在もいなかった。
それでも米内くんは日光で勝てる走りをマスターするため、日光マイスターの集まる走行会に参加して、そこで知り合ったエキスパートたちにアドバイスを求めた。走りのアドバイスはもとより「外装のキレイさでヤル気を見せる」という意見にも耳を傾け、昨年までは白でシンプルだった180SXをピンクメタリックにオールペンした。
「去年、田口との対戦で、ふたりともスピンだったのにあっちが勝った。自分的には『もう1本だな』と思っていたのに、審査結果にはぜんぜん納得できなかった。でも、それには理由がないワケがなくて、ヤツに劣った要因を真剣に考えて今年に臨みます」という参加表明に書かれていた一文がすべてを物語っている。彼はこの1年、うまくなることをめざしてきたワケじゃなく?対戦に勝つ?を念頭に準備してきたんだ。
そして、自滅することがないように、大会慣れすべく、日光のドリコンに参戦しまくった。結果、フルーク走行会やワンダー走行会のエキスパートクラスで優勝。学生限定じゃなく、全年令対象で「日光で勝てるヤツ」になったのだ。
日光武者修行で鍛えたメンタルが
テンパりながらもココイチの集中力を発揮!
じつは日光の走行会で結果を出したあと、学ドリが近づいているというのにしばらくスランプに陥ったそうだ。「走るたびに毎回反省点があったし、うまいひとからアドバイスされたことをぜんぶ取り入れて改善しようとがんばりすぎたのかも…」と言うように、試行錯誤するうちに本来の走りを見失ないかけていたのだ。
それでも、クルマはすでに日光仕様にセットアップ完了だったので、学ドリ初日の練習走行は調子がよかった。パイロン卍の予選は「10位くらいで抜けられたらいいかな」と思ってたそうだけど、みごとパイロン王子に輝いた。
この予想に反する好結果で気分が落ち着いた。学ドリを制するのにいちばん大切な?勢い?をみずからたぐり寄せた。
そのノリと勢いがそんぶんに発揮されたのは、2回戦の6コーナー逆走審査だった。「自分だけラインがちがったからマズいとは思ったけど、それ以外はすべて自分がいちばんよかったはず!」と手応えじゅうぶん。進入速度が認められて1位通過した。そのあとに残った連中を集めた古口っちゃん&侍の緊急ミーティングで「おいおい、勢いがなさすぎるよ!」と説教されなかったのは彼だけだった。
しかし、勢いのよさだけで勝てないのも学ドリ。ベスト4で当たった粂くんとの勝負ではバツグンの進入を見せたが、4コーナーの振り返しで痛恨のスピン。開き直って挑んだ3位決定戦では1コーナーでハーフスピン。「あそこでスピンなんてはじめて。気合いが空まわりしたのかも」とガックリとうなだれた。
4位という結果はこれまでの自身最高位だ。しかし、本気で勝ちを狙って準備した1年間を振り返ると、すぐに受け入れられる事実ではなかった。
しかし、統一戦に向けて山形大学の仲間たちの励ましや、古口っちゃんの喝により、統一戦に対するモチベーションを高め、いざトーナメントがはじまると次々と強敵を撃破。決勝ではまたしても粂くんに当たるもこんどは撃破!
「じつは準決勝だと思ってて…。終わったのに結果が出ない?これ決勝だったの?ってポカーンとしちゃった」とのことだけど、かえって余計なプレッシャーがなくてよかったのかもね。
大学卒業後は仕事の配属先が確定次第、D1地方戦やリーガルに挑戦する予定だ。
「大久保さんやヴィトーさんたちががんばってるし、自分も『学ドリ統一チャンプもたいしたことねえなあ』なんて言われたらカッコわるいですからね!」と、背負った看板の重さに応える気合いマンマンだ。
PROFILE
■在籍[山形大学工学部大学院 機械システム工学専攻2年] ■ドリフト歴/所属チーム[4年半/所属チームとくになし] ■月平均ドリフト回数[ストリート0回/サーキット4回] ■ドリフトしたことがあるサーキット[SSパーク・エビス・仙台ハイランド・サザン・日光] ■おもなコンテスト成績[フルーク走行会エキスパート優勝 ワンダー走行会エキスパート優勝 SSパーク裏No.1決定戦2012ミドル優勝] ■学ドリ参加回数[4回目 最高位2012年東大会6位] ■車両購入価格[35万円] ■月平均ドリフトにかかる費用[約10万円] ■収入[ガソリンスタンド(平均月収7万円)] ■彼女の有無[あり]
SPEC
■エンジン[S14タービン 設定ブースト1.1㎏/㎠ 東名256度カム エクストレイルピストン ナプレックビッグバルブ ポート加工 パワーFC サード550㏄インジェクター ニスモ燃料ポンプ 東名アウトレット HPIフロントパイプ メーカー不明マフラー HPIインタークーラー トラスト13段オイルクーラー ヤシオファクトリー銅3層ラジエター] ■駆動系[ニスモLSD GT1カッパークラッチ 純正5速ミッション ファイナルギヤ4.1] ■サスペンション[アペックスN1ダンパー(F8㎏/㎜ R6㎏/㎜) 3upナックルタイプ2 メーカー不明テンションロッド イケヤフォーミュラタイロッド クスコリヤトーロッド クスコリヤアッパーアーム ニスモリヤメンバー強化ブッシュ GPスポーツトラクションメンバーサポート] ■エクステリア[ワークスナインフルエアロ BNスポーツフロントフェンダー/リヤフェンダー メーカー不明ボンネット] ■インテリア[メーカー不明フルバケットシート サベルト4点式シートベルト デフィ水温計/油温計/油圧計/ブースト計] ■ホイール&タイヤ[Fゲバルト(9J-17 off+18 スペーサー30㎜) フェデラルSS595(235/40-17) RエモーションCR-kai(9J-17 off+25 スペーサー30㎜) フェデラルSS595(235/40-17)]