2012東西統一王者

昨年のリベンジは果たした！
学ドリいちのライバル対決は１勝１敗！

　今大会での目標はハッキリしていた。昨年の学ドリ以降、すべては「打倒片山」のために１年間をすごしてきた。ふたりは学ドリを通じてのライバルでもあり、昨年の統一戦以来、いっしょに走る機会も増え、チームを組んでいか天に出場（優勝）したりと、切磋琢磨しながら友情も深くなっていった。
　彼が思い描いた最高のシチュエーションは、西大会決勝で片山くんと勝負して勝つことだった。しかし、相手はエンジンブローのため借り車での参戦。マシントラブルやハンデなしの勝負を希望していたから、これじゃあ理想の勝負にならないのでは…と最初は思ったけど、そこは学ドリ。「学ドリの審査基準は全力を出し切ること。クルマのスペックは関係ないから、ヤツがどんなクルマでも油断できません」と１００%でブツかった。
　西大会はほぼノーミスで決勝まで進み、決勝でも１００点を連発。それでも「会心の走りもあったけど、１００点と言われた走りでもミスや修正があった」と冷静に分析していた。
　昨年の決勝戦はあっけなく負けちゃったけど、今年は１本ごとに走りを把握できたんだって。その秘訣は、この１年間のすべてを西大会に賭け、合わせてきたからこそ、自信と精神的余裕が生まれたからだそうだ。
　そして、統一戦までは慌ただしかった。西大会のくれくれタイムでデフとミッションがブロー。修理して試走もせず日光へ。不安もあるなか、東大会初日の練習走行でこんどはメンバー割れ。昨年片山くんのエンジンを載せ換えたマスターガレージで、こんどは自分のクルマを修理するハメに…。
　東大会でマークしていたのは大同大学の粂くん。前日の練習でいっしょに走り、テクを認めあって統一戦での対決を約束したそうだ。しかし、勝ちあがってきたのは田口くん。決勝で東西優勝者が直接対決になった。
「年下に負けるとかありえません！」と、走るまえから負けるイメージはまるでもたず、言葉どおり優勝。統一戦は走行本数も少なかったからか、優勝の実感があまりなかったとか。激戦だった西大会優勝のほうがうれしかったそうだ。
　学ドリ参加者、それもトップクラスになると大学やチームの看板を背負って「みんなのために勝ちたい！」と走るヤツも多いけど、大久保くんはちょっとちがう。協力してくれたみんなに感謝しつつ、口から出るのは「打倒片山」。学ドリという舞台で、ひとりのライバルを倒すことだけを考えて突っ走ってきた。
　その情熱がブレなかったからこそ、みんなの協力があったワケだし、学生らしいドラマが生まれたんだと思うな。