2011東西統一王者

東西統一戦は西大会の
リベンジマッチだった!?

「１年目は書類選考に通るもマシントラブルで出場できず、去年も選んでいただいたのに直前に名阪で廃車クラッシュ。今年こそ３度目の正直！」と、最後の挑戦となる今年の学ドリに並々ならぬ情熱を注いでいた彼。
その情熱は作り込まれたクルマやミスのない走りにもあらわれていて、西大会では朝から参加者や審査員の目にとまる存在だった。
　１回戦２回戦とも３位という好成績で勝ちあがり、ベスト８もパイロン王子山下を再戦のすえに撃破。このまま流れに乗るのかなーと思いきや、準決勝でもうひとりの絶好調オトコ、九州の大久保くんが立ちはだかった。両者ともに一歩も引かない走りで再々戦までもつれ込むものの、捨て身とも思える飛び込みを見せた大久保くんに一歩およばず廃退す…。
　じつはヴィトーくんの走りを見ていた審査員は「あのクルマはまだイケるよ、学ドリで勝ちたいならもっと攻めてこなきゃ」と厳しい意見だった。しかし本人もビデオで自分の走りを見て攻めの足りなさをかんじていたそうだ。そこで統一戦はセッティングも変え、攻めた走りに切り替えることにしたんだ。
　この作戦がうまくいったのか、統一戦の練習走行では、はじめての日光にもかかわらずズバ抜けたスピードとキレのある振り出しで「フツーに東大会に参加してもいいセンいっちゃうんじゃないの!?」と思わせるほど。「パワーあるからラインに乗せるのがラクですね、裏３発も意外とラクに届いたし」と日光攻略を楽しんでいるようだった。
　統一戦本番に入っても走りは乱れず、走るたびに進入速度は上がっていったようにも思えた。備北で直接敗れた大久保くんも、そして２年越しの統一王者獲得に燃えていた片山くんでさえも、キレを増すヴィトーくんの走りを止めることができず、そのまま統一王者の座をゲット！
　西大会で３位が統一王者になるなんてスッキリしないひともいるかもしれないけれど、統一戦当日の彼の走りを見た者は全員が納得のいく結果だったと思う。「備北の悔しさは日光で晴らす！」という気迫が走りにこもっていたからね。
　１０年目の学ドリで頂点に立ったオトコは、ドリフトのウデだけじゃなく学ドリスピリッツもナンバーワンだったと認めよう！